世界一のコワーキングスペースWeWorkから考える未来。
未来会議室が運営している『コワーキングスペース』だが、国内でも徐々に数も増え認知度も上がってきている。最近では、大企業もベンチャー投資に乗り出しているニュースも増えてきており、経済活性化にとって「起業」や「スタートアップ」がいかに重要であるかを物語っている。
そのような背景を踏まえ、今回は世界一のコワーキングスペースとして名高いWeWork社と未来について。
時間制の「貸しオフィス」を事業の軸としているWeWorkだが、自身がそもそも急成長を狙ったスタートアップ企業であり、3億5,000万ドルの資金調達にも成功している。WeWorkは現在、3カ国8都市で賃貸オフィスサービスを提供している。収益予測も大幅増が見込まれており、スペースも拡大予定だ。
WeWorkは物理的オフィスを提供しているだけでなく、WeWork Commons という独自のソーシャルネットワークも提供している。これは起業したての事業主をターゲットとしたビジネス特化型ネットワーキング(コミュニティ)サイトであり、時間貸しオフィスの予約機能などのサービスも提供している。オフラインとオンラインの双方向から、ユーザー(コミュニティ)をサポートしている形だ。
WeWorkの躍進は、企業にとってもはや社屋というハードよりも、「コミュニティ」に価値が見出されているということを意味しており、WeWork発のスタートアップ企業が急成長し、上場を果たすということが与える経済波及効果とインパクトは大きい。
スタートアップコミュニティに価値を見出した投資家が集まっていることも大きな成功ファクターだ。50%とも言われているスタートアップ企業に期待される高利回りも人々を惹きつけている。低利回りが続いている日本にとってはなおさらだろう。
実は日本初のスタートアップ企業も躍進を見せており、84億円の資金調達を果たしたオンラインフリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリは日本の起業家ランキングで殿堂入りを果たした。もちろん関東を中心にではあるが、日本でもスタートアップを増やすために多くの人や企業が動き出している。
デフレによる経済低迷(低成長)フェーズが長引いている日本において、急成長とインパクトをもたらすスタートアップの存在は不可欠なファクターではないだろうか。
もちろん、起業し、スタートアップ企業に属するということは非常にリスクの高い行為ではある。しかしながら、「志」と「タフさ」、そして「運」を持った人間がチャレンジすることでしか、真のイノベーションは起こらないだろう。そして一人でも多くの人がチャレンジしやすい社会こそ、停滞感を払拭し、日本経済をリブーストするために重要なことだと考える。
スタートアップというリスクテイカーに対する日本企業によるベンチャー投資が軒並み増えていることからも、実は日本でも"イノベーション"を起こしうる"人(コミュニティ)"こそが求められているように感じる。
"地域創生"や今年震災に見舞われた熊本の場合だと"復興"が声高に叫ばれている。では真の復興や活性化とは、一体何だろう。もちろん地場産業に税金を投入したり、企業誘致を行う事も一時的には効果があるように見える。しかしながら、それらはどれくらい先まで見通しているかを考える必要がある。つまり、本当に活性化を求めるのであれば、成長企業を創出するための中長期的戦略が必要だ。そこでもやはり良質な情報と"コミュニティ"がより重要になってくる事は言うまでもないだろう。
九州でもようやく起業支援に価値が見出され始めている。地域の強みは、リソースが足りていない事、そして圧倒的に"課題"が多いことではないだろうか。情報格差、生活インフラはもちろん、地方は都心と比較して往々にして"課題(サービスの種)"の山だと考える。東京は企業も多く、ほとんど起業支援という切り口では飽和状態となっていくだろう。数年前からスタートアップバブルのような現象が起きているが、東京だけでは頭打ち感がある。すると、東京に集中しているリスクマネーの矛先は自然と地方に向いていくと考えられる。
重要な事は、良質なコミュニティをいかに醸成し、そのための仕組み(体制)づくりをいかに行うか。日本国内、もちろん地方においても来たるべき未来に対する準備をスピード感を持って実践していく必要があると考える。
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