ニッポンとイスラエル
『Japanese must tap their ‘inner Israeli’』
「え?内なるイスラエル人?どういうこと?」と感じたる方が多い(ほとんど)かと思います。
イスラエルに対する印象として一般的なものは、イスラム教や戦争等が1番ではないでしょうか。
ただ、ご存知の方も多い通り、昨今“そのテクノロジーに基づくスタートアップを輩出しており、世界中から投資が集中している”というのが現実であるということを踏まえてください。
まず歴史的には、日本はバブル経済崩壊後、『失われた10年』と言われるように、デフレ経済に突入し未だに経済停滞に苦しんでおり、今後の人口減少も念頭に置けば、よほど楽観的に考えても『経済的』に成長する可能性は限りなく低いと考えられます。(もちろん、一部例外もあります。)ただ、イスラエル人との比較や類似点から日本が経済成長するためのヒントを見出すことはできないでしょうか。
民俗学的には、日ユ同祖論というものも存在しますが、果たしてどうでしょう。
以下で日本人とイスラエル人の気質的特徴を比較してみましょう。
<日本人>
・「和」を重んじ、「建前」を重視する。
・争いを嫌い、機密な計画や階層(秩序)に基づいて行動する。
<イスラエル人>
・「本音」を重視し、議論大好き。
・形式ばらず、階層を嫌い、即興で行動する。
確かに、一見すると正反対な印象です。ということは日本の未来の成長は絶望的なのでしょうか。
しかしながら、日本とイスラエルには共通点もあるんです。それは、天然資源に乏しいが故に、これまで知的資源に頼って発展してきたという歴史的事実です。現在、全く真逆に感じる両国の経済状況ですが、イスラエルスピリットから日本人が学び、実践できることがあるのではないでしょうか。
以下の4つのキーワードについて、考えてみる価値があるのではないだろうか。
- 起業家精神
- 非階層的意思決定
- グローバル思考
- 移民
1.今でこそ世界の大企業であるTOYOTAもパナソニックも、HONDAも、かつては企業家精神を持ってリスクに挑んだ創業者が始めたのである。楽天や最近ではメルカリも世界で戦うIT企業になった。もちろん、このような成功企業はごく一部であるが、これもまた事実である。VCの欠落や大企業、公務員安定思考といった社会構造が大きな要因だろうが、起業家マインドは、現代の日本人にこそ非常に重要だと考えられる。
2.非階層的意思決定は、階層組織がほとんどである日本企業においては非常に難しく、コンセンサス(同意)重視の組織構造でこれを行うことは大変なことだろう。いわいる、空気を読まないことになるため。しかし、階層を気にせず、優れたアイデアがあれば抵抗に屈することなく、異議を申す。そういった意識が戦略的意思決定には欠かせないのではないか。
3.グローバル思考とは、単なる語学力に止まらない。英語力もさることながら、ビジネスマインドにおいて絶対的な違いがある。それは、市場に対する認識である。日本の企業は往々にして、ほとんどが国内マーケットを考えている。一方でイスラエルの企業は鼻から海外マーケットのことを真剣に考え、戦略を立て、そこにフォーカスしている。人口減少が始まった今、企業規模に関わらず、グローバルマインドを持ってチャンスを取りに行くことこそ、建設的な戦略ではないだろうか。
4.人口減少に伴う生産人口の欠如に対する策として、外国人労働者の受け入れがあるが、これに関しても、イスラエルがモデルになる。イスラエルの移民政策の特徴は、「類縁関係に基づく」という縛りと、政府によるヘブライ語学習プログラムである。どちらも、国家としての統制に貢献しながら、多様な移民を受け入れることを目的とした政策である。真のグローバル化へのヒントはこういった視点にあるのではないだろうか。
内なるイスラエル人とはイスラエル人の精神、つまりマインドのことである。未来は不確実で未曾有だからこそ、時代に適応したマインドと選択が必要だと考えます。
今回の考察は、2016年3月、アメリカ人の国際弁護士Glenn Newman氏との出会いによって実現することができました。実際にアメリカやイスラエルに行ってみたいと思います。
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